7 観音・勢至菩薩像(善光寺式) 2軀 

表紙

 最近、その存在が確認された善光寺式阿弥陀三尊像の両脇侍で、中尊は戦後盗難にあい、現在不明です。安房にはこの他に、鴨川の西徳寺の善光寺式三尊像(県指)が知られているほか、当市の善栄寺のものが知られている程度で、上総・下総にくらべてかなり数が少ないので、当像の存在が確認された意義は大きいと言えます。

 両像とも、右手を上にして掌を合わせる形で鋳造され、尊名の識別は、宝冠正面に取り付けられた宝瓶と、阿弥陀の印{しるし}で行うしかありません。両像の像容は、全体的に細身のモデリングですが、比較的端正な造形が施こされており、美作です。当像で特色のある点は、円い筒状の宝冠を戴いている点です。県内では鴨川西徳寺の例以外にはなく、県外では円覚寺の例が、正面が山形に立ち上がる筒状の宝冠として知られてる程度で、めずらしいものということが出来ます。

観音・勢至菩薩像
銅造 像高(観音33.3 勢至33.6)
鎌倉時代
館山市・三善寺