15 貝多羅葉経 30枚 

表紙

 棕櫚{しゅろ}の葉に似た貝多羅{ばいたら}樹葉(Tala-Pattra)30枚に書かれたパーリ語(仏陀が使用した言語に近い)の経文です。

 貝多羅葉は、葉を乾かして葉面に掻き傷をつけると黒褐色に変わる性質があり、これを利用して、古代インドでは、経文の書写に使われました。

 智蔵寺の貝多羅葉経は、古くから寺にあったとされますが、伝来の詳しい経過は不明です。

 

 全部で30葉あり、各葉を重ねる順の混乱を防ぐため、全部を重ねた縁{へり}に朱彩の線を、それ以外の縁には金泥を施こしています。

 仏典は、釈迦(B.C.5世紀)の教説を記録したものですが、釈迦当時はもっぱら口唱で記録し、仏典はありませんでした。それが文字で記録されるようになるのは西暦紀元前後頃からと考えられています。大乗仏教の諸経典には、仏典の受持・読誦・供養とともに書写の功徳が説かれていますが、インドではかなり後代まで紙が普及しなかったので、写経はこの貝多羅樹の葉を使っておこなわれました。貝葉経はわが国に奈良・平安時代に中国より請来されたものが何点か伝わっています。

貝多羅葉経 貝葉 (縦4.6 横55)   三芳村・智蔵寺