【2】大工の仕事と道具  

表紙

 建築工事を設計・施工する立場の大工棟梁は、技術者かつ経営者として全体の仕事を把握し、指導できるだけの力量を身につけなければならなかった。江戸時代初頭の大工技術書である『匠明{しょうめい}』では、当時の大工の理想像として「五意達者」という姿を求めている。すなわち式尺の墨がね・算合・手仕事・絵様・彫物を五意といって、これらに優れていなければいけないというわけである。