【4】里見氏ゆかりの城と土豪たち    <金谷城>

表紙

 富津市金谷にある標高118mの山城である。安房と上総の国境にあり、鋸山山系の西の丘陵端にあたる。西は東京湾に接した急崖で、北に金谷港を擁する里見水軍の重要拠点である。土塁・堀切・竪堀・櫓台・腰曲輪などの遺構がみられ、発掘調査によって薬医門をともなう虎口や石積遺構も検出され(写真)、大規模な岩盤削平による築城の様子が確認されている。これらには里見氏の城普請の特徴が表れているという。また矢倉や倉庫等の建物や柵などの防御施設も所狭しと並ぶ様子が明らかになり、武具・生活雑器も掘り出された。

 後北条氏の水軍に対する戦略拠点の城で、天文22年(1553年)の北条軍の政撃で兵火にかかったこともあるが、天正18年(1590年)には、半島西部の水軍を指揮する正木淡路守が守備を任されていた。

金谷城虎口跡(君津市)
2.上総国天羽郡金谷古城之図
國學院大學図書館蔵
17.金谷城跡出土遺物
(富津市教育委員会蔵)

陶磁器片(鉄釉小皿、天目碗片、青磁片、白磁碗片、青花碗片、灰釉皿片等)

砥石
土錘・カワラケ
石臼・おろし皿・すり鉢片
刀子・飾金具・古銭(皇宋通宝)
常滑甕片