洲崎大明神ゆかりの神社

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 横浜市港南区には、安房の洲崎明神が飛来した場所に社を立てたという由緒をもつ安房洲明神社がありました。現在は天照大神社(横浜市港南区江南)に合祀されています。

 三浦半島には、洲崎大明神を祀らなくとも、洲崎との関係をもつ神社があります。浦賀湊の西の丘陵上にある吉井には安房口明神と呼ぶ神社があります。社殿はなく、御神体とする石が祀られています。この石には、竜宮から洲崎大明神へ奉納されたふたつの石のひとつが飛来したとの伝承があります。口のようなくぼみをもった石の正面が、安房の方を向いていることからついた社名だといわれています。もうひとつの石は洲崎神社の浜の鳥居の下の海岸にあります。口を閉じたような形の、同じような大きさの石です。洲崎では、三浦半島にある石とは「阿吽{あうん}」で対になるといわれています。

 また三浦市城ヶ島の安房崎にある洲御前{すのみさき}社は、洲崎明神と対峙することからこの名があるとされ、洲崎と三浦半島が東京湾の出入口にあることが意識されています。

安房洲崎神社浜の鳥居下にある神体石
安房口神社(横須賀市吉井)の神体石

83.相州西浦賀村図(西へ山越えをしたところに吉井明神がある。安房口神社であろう。)