【2】薬と医療  

表紙

 日常的な怪我や体調不良の緩和はもちろん病気の予防にも民間薬での対処がされていましたが、重篤になると医師などによる漢方薬の処方に頼ることになります。医師の家には薬草になる植物が植えられていることもありますが、多くは薬種問屋から入手し生薬の調合を行っていました。また村の人々の不安に応えるために、村の有力者たちが目的に応じた有効薬の情報を手に入れる努力をしたり、生薬を独自に調合して地域で人気の家伝薬を製造する家もありました。薬になるものを探して本草家といわれる人々が安房へ探しに来た記録もあります。

27.神農図  
上野和子氏蔵
 医薬の関係者は中国の伝説上の皇帝である神農をまつる。神農は木の葉でつくった衣をまとい、頭には牛の角があるのが特徴。人々に農耕を教え、また草木を採って嘗めては、その効能と毒性を自ら確かめ、一日に七十もの毒に当たったといわれており、医学を創始した医薬の神とされている。
28.製薬之図  
石井祐輔氏蔵