(1)農業 

表紙

 農業の近代化は、江戸時代に主流だった人力による鍬{くわ}の耕耘{こううん}から、牛馬による犂{すき}の耕耘への変化から始まったともいえます。深く耕すことが土壌改良に有益なうえ、明治初期に馬が引く西洋犂が紹介されたことがきっかけです。犂の導入は肥料分を分解するために水田を乾田{かんでん}に変えていくとともに、耕地を広げる区画整理と用水の排水工事を進展させ、さらに排水された水田は裏作も可能にしました。そして収穫を向上させるための稲作三要項が推進されました。

 また、地租改正による土地の個人所有が認められたことで、様々な農作物を自由に作ることも可能になりました。商品作物が奨励され、東京に近い安房郡の気候風土に見合った蔬菜{そさい}の促成栽培も導入されました。

 これらを推進したのが明治24年(1891年)に成立された安房国同志農業会(のち安房郡農会)です。農業技術や情報を共有するための講習会や品評会の開催、講習施設の設置などが、老農や招聘{しょうへい}教師を中心に行われました。

46.農産物品評会場(地方改良資料)
大正時代頃 当館蔵
48.安房五老図
大正元年(1912年) 加藤澄弥氏蔵
51.米作改良表彰状
明治32年(1899年) 西長田区蔵
53.座間式犂
昭和初期 当館蔵
55.ガラスフレームによる神戸村の促成栽培
明治44年(1911年)刊『地方資料小鑑』より
60.枇杷の化粧箱用ラベル
大正6年(1917年) 当館蔵
66.千葉県蚕糸業組合証票
明治29年(1896年) 当館蔵