伝習所(5)

表紙

 昭秀が各地で講演した内容が『日本刀乃日本趣味』に掲載されていますが、その中に『聖代刀暫定名鑑』が収録されています。これは昭秀が「全国千人近い刀匠の中から幕内級四百余名を選んで」「位列を定めて、之を聖代刀暫定名鑑と名付け・・・・・・、此の名鑑に価格まで付けた」ものです。

 当時の「現代刀標準価格表」ともいうべきこの番付表をみると、400人以上の良工が名を連ね、その中で、昭房は、昭友、昭宗と同じトップクラスの「気品上位」の部(600~3500円)にランク分けされています。

 宮入昭平、幡野昭信たちは横綱格で、昭房たちは更にその上の検査役となっています。

『聖代刀暫定名鑑』 『日本刀乃日本趣味』より

 現役で活躍されている天田昭次刀匠(国指定重要無形文化財)は「入門時期の関係で、石井昭房刀匠から直接教えを受けることは出来ませんでしたが、たまに伝習所にお見えになる昭房師匠は、神様のような存在でした」と語ってくれました。

 
 

故幡野昭信と天田昭次(栃木栗原家前にて)